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■学名

Origanum majorana
(ラテン語で「オリガヌム属のマジョラム」。“Origanum”はギリシャ語で「山の喜び」、「majorana」はアラビア語起源でラテン語に定着し「高貴な芳香植物」を意味する)

■科名

シソ科

■抽出部位・方法

開花期の花・葉(地上部)を水蒸気蒸留で抽出。

■主な産地・分布

地中海沿岸(エジプト、チュニジア、モロッコ、キプロス、イタリア、スペイン、ハンガリー、ドイツ、インドなど)。
■香りのノート

ミドルノート(温かみのあるハーバル〜スパイシー、ややナツメグ様)。
 

– 温かく包み込む、静けさと整えのハーブアロマ –

マジョラムは、甘さとほろ苦さが溶け合う温かみのあるスパイシーな香りが特徴です。古代ギリシャでは幸福と繁栄の象徴として花嫁の冠を飾り、ローマでは心を慰める草として詩に詠まれました。中世ヨーロッパでは修道院の薬草園で不眠や消化不良のために用いられ、葬送の場では亡き人に安らぎを授ける香りともされました。そして現代においても、そのやさしい香りは緊張や不安を和らげ、休息や安眠を支える精油として人々の暮らしに寄り添い続けています。
 

🧪 特性・有用性(科学+感性のバランス)
🌿 精神安定・抗不安
:テルピネン-4-オールとリナロールが神経の高ぶりを鎮め、心を落ち着かせる。
😌 安眠サポート:温かみのあるスパイシーな香りが緊張をほぐし、深い休息へと導く。
🍃 消化サポート:サビネンハイドレートが腸管のこわばりを和らげ、胃腸の不快感を緩和。
🛡 抗菌・抗酸化:γ-テルピネンやα-テルピネンが微生物の繁殖を抑え、体内の酸化ストレスを軽減。
💓 循環促進:血管弛緩作用が報告されており、冷えやこわばりの緩和に寄与する可能性。
 

🧭 歴史と伝承

マジョラムは、古代ギリシャにおいて繁栄と幸福の象徴とされ、花嫁の冠を飾り、愛と祝福のハーブとして尊ばれました。ローマ時代には「安寧をもたらす草」として詩人オウィディウスがその魅力を詠い、食卓や薬草の調合に広く取り入れられています。中世ヨーロッパでは、料理の香辛料としてだけでなく、気管支炎や不眠、消化不良の緩和に用いられ、修道院の薬草園で大切に育てられていました。さらに民間伝承の中では、亡き人の枕元に捧げる香りとしても知られ、魂に安らぎを授ける植物とされてきたのです。
その歩みは、マジョラムが単なる芳香植物を超え、時代を越えて「心を慰めるハーブ」として人々の暮らしと精神文化に深く根付いてきたことを物語っています。

 

🌿 香りの特徴(温もりと静けさをもたらす)

  • 香調:ハーバルにほのかな甘みを含んだスパイシー調、わずかにナツメグを思わせるニュアンス

  • 印象:包み込むように温かく、落ち着いたやさしさを感じる香り

  • 心理的作用:心の緊張や不安をやわらげ、安心感と深いリラックスへ導く

 

🧪 主な芳香成分

  • テルピネン-4-オール(20〜38%)

 温かみのあるスパイス様の香り/鎮静、抗炎症、抗菌

  • cis-サビネンハイドレート(10〜30%)
     やや甘さを帯びたハーバル香/鎮痙、抗菌、消化サポート
  • γ-テルピネン(7〜18%)
     軽いスパイシー柑橘調/抗酸化、抗炎症
  • α-テルピネン(3〜11%)
     ハーバルでやや刺激的な香り/抗酸化、抗菌
  • p-シメン(7〜10%)
     温かみのあるスパイシーな香り/抗菌、香りの深み付与
  • α-テルピネオール(3〜7%)
     柔らかく上品なフローラル調/鎮静、抗菌
  • リナロール(1〜12%)
     優しい花の香り/鎮静、抗不安、抗炎症

 

🌼 期待される作用と「科学的信頼度」

 

🔍 科学的信頼度の目安

  ★★★★★:ヒト臨床試験での再現性が高く、複数の研究で支持されている

  ★★★★☆:動物実験やin vitro研究で強い支持があり、伝統的使用とも一致

  ★★★☆☆:基礎研究や伝統的使用に基づくが、ヒト試験は限定的

  ★★☆☆☆:初期研究段階、または伝統的使用に基づく仮説レベル

  ★☆☆☆☆:エビデンスが乏しい、または一部の報告に限られる

 

 

🏡 使用シーンと暮らしへの提案

  • 緊張や不安を和らげたいとき
    【使用例】ディフューザーで芳香浴、またはアロマストーンに1〜2滴垂らして深呼吸
    【期待される作用】テルピネン-4-オール・リナロールによる鎮静と情緒安定

  • 就寝前に心身を休めたいとき
    【使用例】枕元にディフューザーを置き、やさしく香らせる/ラベンダー・アングスティフォリアと1:1でブレンド
    【期待される作用】鎮静・抗不安作用により深い休息を促進、安眠サポート

  • 食後の胃の重さやお腹の張りが気になるとき
    【使用例】キャリアオイルで1%に希釈し、下腹部をやさしく時計回りに塗布/フェンネル精油やペパーミント精油とブレンド
    【期待される作用】サビネンハイドレートによる鎮痙作用で胃腸のこわばりを緩和

  • 季節の変わり目に体調を整えたいとき
    【使用例】ユーカリ・ラディアタやローズマリー・カンファー/ローズマリー・シネオールとブレンドし、マスクやハンカチに1滴落として携帯
    【期待される作用】γ-テルピネン・テルピネン-4-オールの抗菌作用による空気清浄と呼吸サポート

  • 血流をよくしたい、体を温めたいとき
    【使用例】キャリアオイルに1〜2%希釈して足浴やハンドマッサージに使用/ローズマリー精油やマジョラム同系統のハーブとブレンド
    【期待される作用】血管拡張作用による循環促進、冷えやこわばりの緩和

  • 心をほぐすオリジナルブレンドとして
    【使用例】マジョラム+ベルガモット+フランキンセンスをディフューザーで芳香
    【期待される作用】マジョラムの温かさとベルガモットの爽やかさ、フランキンセンスの落ち着きが調和し、深い安心感とリフレッシュを同時にもたらす

 

🔔 使用上の注意

  • 妊娠初期は使用を避ける。妊娠中・授乳中は低濃度の芳香浴など短時間使用を基本とし、必ず専門家に相談。

  • 乳幼児(特に生後3か月未満)への使用は控える。

  • 高濃度使用や長期間の連用は避け、必ず低濃度(0.5〜1%未満)に希釈して使用。

  • 原液を直接皮膚に塗布しないこと。

  • 皮膚が敏感な方は必ずパッチテストを行うこと。

  • EUアレルゲン成分(リナロールなど)を含むため、アレルギー体質の方は注意して使用。

  • スパニッシュマジョラム(Thymus mastichina)、オレガノ(O. vulgare)など別種と混同しないこと。本品はマジョラム(Origanum majorana)である。


※本ページは学術情報に基づく一般的なアロマセラピー情報です。医薬的効能の断定や診断・治療の代替を意図しません。疾患や服薬中の方、妊娠・授乳中、乳幼児・高齢者への使用は、必ず専門家の助言を得てください。

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