■学名：Citrus reticulata
■科名：ミカン科
■抽出部位・方法：葉より水蒸気蒸留法にて採取。
■分布地域：
温暖な地中海沿岸や南米などで広く栽培。特にイタリア、スペイン、ブラジルにて生育。
– 柑橘の青葉が奏でる、やさしい空気のすきま –
プチグレン・マンダリンは、マンダリンオレンジの葉から抽出される軽やかな精油です。ネロリの穏やかさを内包しながら、グリーンシトラスの清涼感が心に風を通します。ビガラード系よりも甘さと爽やかさが際立ち、日々の緊張をほぐしたり、気分を軽やかにしたいシーンにおすすめ。空間や呼吸に、ほのかに優しい余白を生み出します。
🧪 特性・有用性（科学＋感性のバランス）
🌙 精神安定・リラックス：リナロールと酢酸リナリルの含有量が高く、神経系の鎮静をサポート。
🌿 気分の高揚と回復：柑橘系特有のリモネンにより、明るく前向きな感情を誘導。
😌 睡眠導入・自律神経の調整：交感神経の過活動を抑え、心身を穏やかに整える。
🧭 歴史と伝承
プチグレン・マンダリンは、柑橘類のプチグレン精油の中でも比較的新しい存在。伝統的には中国やインドで、若葉を煎じて消化不良や精神安定の民間療法に使われてきました。近年では、その穏やかで清潔感ある香りが注目され、ネロリやベルガモットのように香水・アロマケアに取り入れられています。
🌿 香りの特徴（やわらかな柑橘とグリーンの対話）
香調：マンダリン特有の甘みを含んだグリーンノートを基調に、軽いフローラルとシトラスが調和。トップ〜ミドルノートで、清潔感と幸福感が広がる。
印象：ビターオレンジよりも柔らかくフルーティー。柑橘系の中でも穏やかで優しい香りなので、感情を包み込むような雰囲気。女性的にも男性的にも、やさしさが際立つ香調。
心理的作用：抗不安・鎮静作用に加え、幸福感と希望をもたらす。緊張の緩和と共に、気持ちのリフレッシュや自尊心の回復にも寄与。
🧪 主な芳香成分
酢酸リナリル（35〜45%）
・フルーティーで甘く、軽やかなフローラルな香り。マンダリンらしい甘さに寄与
・鎮静、抗不安、抗うつ、催眠作用
リナロール（20〜30%）
・フレッシュなフローラル、ウッディ、スパイシーな香り
・鎮静、抗不安、抗炎症、免疫調整
リモネン（5〜15%）
・柑橘系、爽やかで明るい香り
・抗不安、抗うつ、気分高揚、抗炎症・抗酸化、抗菌・抗ウイルス
β-ピネン（3〜8%）
・ウッディでスパイシーな香り
・抗菌、抗ウイルス、血圧降下
ゲラニオール（1〜5%）
・甘くローズ様のフローラルな香り
・抗菌、皮膚強壮、抗炎症
酢酸ネリル（微量）
・ラズベリー様の甘いフローラルな香り
・鎮静、皮膚再生、抗菌
🌿期待される作用と科学的信頼度
・神経系鎮静作用
【期待される作用】緊張の緩和と呼吸・心拍の安定
【主な関与成分】酢酸リナリル、リナロール
【エビデンス・出典】関税中央分析所報 第21号
【科学的信頼度】★★★☆☆
・抗不安・精神安定作用
【期待される作用】安心感と穏やかな情緒のサポート
【主な関与成分】リナロール、リモネン、ゲラニオール
【エビデンス・出典】J-GLOBAL文献情報
【科学的信頼度】★★★☆☆
・気分高揚・情緒回復作用
【期待される作用】前向きな気分と活力の促進
【主な関与成分】リモネン、酢酸リナリル
【エビデンス・出典】関税中央分析所報 第21号
【科学的信頼度】★★★☆☆
・鎮痛・鎮静作用
【期待される作用】肌の修復促進と雑菌抑制
【主な関与成分】ゲラニオール、酢酸ネリル
【エビデンス・出典】J-GLOBAL文献情報に含む定量分析
【科学的信頼度】★★☆☆☆
🔍 科学的信頼度の目安：
★★★★★：ヒト臨床試験での再現性が高く、複数の研究で支持されている
★★★★☆：動物実験やin vitro研究で強い支持があり、伝統的使用とも一致
★★★☆☆：基礎研究や伝統的使用に基づくが、ヒト試験は限定的
★★☆☆☆：初期研究段階、または伝統的使用に基づく仮説レベル
★☆☆☆☆：エビデンスが乏しい、または一部の報告に限られる
🏡 使用シーンと暮らしへの提案
・朝の目覚めや通勤前に
【使用例】ディフューザー／アロマスプレー
【期待される作用】気分を高め、前向きなエネルギーをもたらす
・おやすみ前の落ち着きタイムに
【使用例】枕元アロマストーン／希釈しオイルトリートメント
【期待される作用】心の緊張緩和と入眠のサポート
・心のざわめきや焦燥感のある日中に
【使用例】ティッシュやムエットに１～２滴垂らして胸ポケットに
【期待される作用】穏やかな気持ちへの切り替えとリフレッシュ
・肌や頭皮のお手入れに
【使用例】植物油で希釈しローション／シャンプーへ添加
【期待される作用】抗菌・皮膚強化・爽快感の付与
🔔 使用上の注意
妊娠初期は使用を避ける。授乳中は医師または専門家に相談の上使用。
6歳未満の子どもには原則使用を避ける。芳香浴も低濃度で。
高濃度での芳香浴は眠気や集中力低下の可能性があるので、運転・集中作業前の使用には要注意。
リナロール、ゲラニオールなどEU指定アレルゲンを含むので、敏感肌・アレルギー体質の方は事前に確認を。
※本ページは学術情報に基づく一般的なアロマセラピー情報です。医薬的効能の断定や診断・治療の代替を意図しません。疾患や服薬中の方、妊娠・授乳中、乳幼児・高齢者への使用は、必ず専門家の助言を得てください。