■学名：Ocimum sanctum
■科名：シソ科
■抽出部位・方法：葉部より水蒸気蒸留法にて採取。
■分布地域：インドを中心とした南アジアの亜熱帯〜熱帯地域に広く分布。
 
– 神聖なるハーブがもたらす、調和と活力のしずく –
ホーリーバジル（トゥルシー）は、インドの伝統医学アーユルヴェーダにおいて「不老不死の霊薬」とも称される神聖な植物。その精油は、甘くスパイシーでハーバルな香りにわずかなクローブ様の深みを伴い、心を浄化し、エネルギーを取り戻す手助けをしてくれます。
ストレスで心身が疲弊したとき、集中力を高めたいとき、また免疫サポートが欲しいときに、力強くもやさしい香りが寄り添います。日常の中で心の澱を晴らし、内面の調和を取り戻すサポーターです。
芳香浴、ヨガや瞑想前の香り付け、リフレッシュしたい朝時間に最適です。
 
🧪 特性・有用性（科学＋伝統のバランス）
🌿 ストレス緩和・精神安定：オイゲノールやリナロールが自律神経を整え、精神を落ち着ける。
🔥 集中力・記憶サポート：カンファー様成分が頭をクリアにし、思考の明晰さを促す。
🛡 免疫サポート・抗菌：強力な抗菌・抗ウイルス作用で、季節の変わり目や感染予防に寄与。
💪 抗酸化・抗炎症：伝統的に「アダプトゲン」として、疲労回復や炎症抑制に用いられてきた。
🌬 呼吸サポート：ハーバルな香りが鼻腔をすっきりさせ、深い呼吸を助ける。
 
🧭 歴史と伝承
ホーリーバジル（トゥルシー）は、インドのヒンドゥー教において「神に捧げる聖なるハーブ」とされ、家庭の庭先で育てられ、宗教儀式や薬草療法に欠かせない存在でした。
アーユルヴェーダでは数千年前から「心身を清める万能薬」として重用され、呼吸器疾患、熱病、消化器トラブルから、精神の浄化、免疫強化にまで幅広く用いられてきました。
今日では「アダプトゲン（環境ストレスに対抗し、心身の恒常性を高める植物）」としても科学的に注目され、西洋のハーブ療法やアロマテラピーにも広く導入されています。
 
🌿 香りの特徴（清らかさと力強さを併せ持つ）
香調：スパイシーでハーバル、クローブ様の温かみを含むグリーン調
印象：神聖で凛とした、心身を浄化する香り
心理的作用：ストレスを払い、集中力・活力を取り戻す
 
🧪 主な芳香成分
オイゲノール（30〜60％）
　クローブ様のスパイシーな香り／抗菌、鎮痛、抗炎症、精神安定
リナロール（15〜25％）
　やわらかな花香／鎮静、抗不安、抗菌
カンファー（1〜10％）
　清涼感ある香り／頭脳明晰化、去痰、血行促進
β-カリオフィレン（2〜8％）
　ウッディで落ち着いた香り／抗炎症、免疫調整、鎮痛
1,8-シネオール（微量）
　ユーカリ様の清涼感／呼吸サポート、抗菌作用
 
🌿 期待される作用と科学的信頼度
ストレス緩和・抗不安
【期待される作用】ストレスや不安の軽減、情緒安定
【主な成分】オイゲノール、リナロール
【エビデンス】A randomized, double-blind, placebo-controlled trial investigating the effects of an Ocimum tenuiflorum (Holy Basil) extract (HolixerTM) on stress, mood, and sleep in adults experiencing stress
【科学的信頼度】★★★★☆（複数のヒト臨床試験・レビューによる裏付けあり）
 
集中力・思考サポート
【期待される作用】注意力・記憶力向上
【主な成分】カンファー、1,8-シネオール
【エビデンス】Holy basil (Ocimum sanctum Linn.) leaf extract enhances specific cognitive parameters in healthy adult volunteers: A placebo controlled study、Ocimum sanctum Linn. (Holy Basil) to Improve Cognition
【科学的信頼度】★★★☆☆（ヒト小規模RCTあり／前臨床データも含む）
 
免疫・抗菌
【期待される作用】抗菌・抗ウイルス、免疫調整
【主な成分】オイゲノール、β-カリオフィレン
【エビデンス】Tulsi (Ocimum sanctum): A Potent Adaptogen
【科学的信頼度】★★★☆☆（臨床データは限定的で、主にin vitro・動物研究ベースのエビデンスあり）
 
🔍 科学的信頼度の目安：
　　★★★★★：ヒト臨床試験での再現性が高く、複数の研究で支持されている
　　★★★★☆：動物実験やin vitro研究で強い支持があり、伝統的使用とも一致
　　★★★☆☆：基礎研究や伝統的使用に基づくが、ヒト試験は限定的
　　★★☆☆☆：初期研究段階、または伝統的使用に基づく仮説レベル
　　★☆☆☆☆：エビデンスが乏しい、または一部の報告に限られる
 
🏡 使用シーンと暮らしへの提案
ヨガや瞑想の前に
【使用例】ディフューザーで空間芳香
【期待される作用】心を浄化し、集中力を高める
ストレスの多い仕事・学習中に
【使用例】ティッシュに1滴垂らして吸入
【期待される作用】リナロールによる緊張緩和とオイゲノールによる集中サポート
季節の変わり目や体調管理に
【使用例】空間芳香、アロマスプレーで空気清浄
【期待される作用】抗菌・抗ウイルス作用による環境サポート
疲労感を感じた夜のリセットに
【使用例】バスオイルに希釈して入浴（低濃度）
【期待される作用】ストレス緩和と深いリラックス
 
🔔 使用上の注意
高濃度使用は皮膚刺激の可能性があるため、必ず希釈して使用（推奨濃度：0.5〜1％以下）。
妊娠中・授乳中・乳幼児への使用は避けるか、専門家に相談。
カンファー含有のため、てんかんの既往や乳幼児には使用を控える。
長時間の過剰吸入は頭痛や吐き気を招く恐れがあるため、適度な使用を心がける。
皮膚が敏感な方はパッチテストを推奨。
 
※本ページは学術情報に基づく一般的なアロマセラピー情報です。医薬的効能の断定や診断・治療の代替を意図しません。疾患や服薬中の方、妊娠・授乳中、乳幼児・高齢者への使用は、必ず専門家の助言を得てください。