■学名：Eucalyptus citriodora
（Eucalyptus = ユーカリ属〈ギリシャ語 eu＝良い、kalyptos＝覆う〉、citriodora = 「レモンの香りを持つ」を意味し、葉から感じられるレモン様の清々しい芳香に由来する。）■科名：フトモモ科
■抽出部位・方法：葉より水蒸気蒸留法にて採取。
■主な産地・分布：
オーストラリア原産。現在ではマダガスカル、ブラジル、インド、中国などで広く栽培されている。
ほかのユーカリ種に比べてレモン様の甘酸っぱい芳香が際立つことが特徴で、抗菌・防虫目的の植林としても利用される。
温暖で日当たりのよい地域に自生し、生命力が強く、香気成分を多く含む葉を豊富につける樹木。■香りのノート
トップ〜ミドルノート
（レモングラスを思わせる フレッシュですっきりとしたシトラス調に、わずかに温かみのあるハーバル感が重なる爽快な香り。）
– 清々しく、心身を整えるレモンユーカリの香り –
ユーカリ・レモン（シトリオドラ）精油は、ユーカリの清涼感に、やわらかなレモン様の香りが重なった明るくリフレッシュ感の高い香調が特長です。
主成分の シトロネラール が空気を浄化しつつ、落ち着きと軽やかさを同時にもたらします。気分を切り替えたいとき、室内の空気を整えたいとき、湿度の高い季節のケアにも適しており、落ち着きと爽快感をあわせ持つ香りは、リラックスにも活性にも対応できる精油と言えます。
🧪 特性・有用性（科学＋感性のバランス）
🌿 気分のリフレッシュ：レモン様の香気が心身を軽くし、明るい気分へ導く
🦠 抗菌・抗ウイルス・抗真菌：空気清浄や感染予防に役立つ
🦟 虫よけ効果：シトロネラールによる優れた忌避作用
🧘 ストレス緩和：緊張を和らげ、柔らかな鎮静をもたらす
🌤 集中・切り替え：頭をすっきりさせ、爽快な思考をサポート
🧭 歴史と伝承
ユーカリ・レモンは、オーストラリア大陸の先住民族により空間の浄化、衛生管理、虫よけとして広く使われてきました。
19世紀以降ヨーロッパに伝わると、防虫・衛生目的の医療・家庭用品などにも利用され始めます。
現在では「爽快でありながら優しい香りを持つユーカリ種」として、家庭用アロマ、空間ケア、虫よけブレンドに多く用いられています。
🌿 香りの特徴（爽快・明朗・清浄）
香調： レモンのように明るく清潔感のあるシトラス調
印象： 軽やか・クリア・健康的
心理的作用： 気分の明るさ、ストレスの緩和、思考のリフレッシュ
🧪 主な芳香成分
・シトロネラール（60〜85％）
レモン様の主要香気／抗菌、防虫、鎮静、気分転換・シトロネロール（5〜20％）
柔らかな甘み／抗菌、抗炎症、鎮静・イソプレゴール（微量〜10％）
清涼感のあるハーバルノート／抗菌、抗酸化・ネロール、ゲラニオール（微量）
フローラル調の柔らかさ／心理的安定、抗炎症
🌼 期待される作用と「科学的信頼度」
抗菌・抗ウイルス・抗真菌
【期待される作用】空間の清浄、感染性リスクの軽減
【主な関与成分】シトロネラール、シトロネロール
【エビデンス・出典】Antimicrobial activity of E. citriodora oil
【科学的信頼度】★★★☆☆（細菌・真菌の増殖抑制は複数の in vitro 研究で再現されているが、室内での臨床試験（発症率低下まで見た研究）はほぼ無く、ディフューザーを用いた室内芳香による生活レベルの「感染予防効果」としては まだ証明途上）
虫よけ（蚊）
【期待される作用】自然由来の忌避効果
【主な関与成分】シトロネラール
【エビデンス・出典】About Lemon Eucalyptus Oils、Citronellal perception and transmission by Anopheles gambiae s.s. (Diptera: Culicidae) females
【科学的信頼度】★★★★☆（シトロネラールを原料化合物として作られたp-メンタン-3,8-ジオール（PMD）に強い虫よけ効果が認められているが、ユーカリ・レモン精油に含まれるPMDは１～２％程度。ただし、シトロネラール自体にも蚊に対する高い忌避効果が認められており、これを非常に多く含むユーカリ・レモン精油は蚊除けとして期待される）
鎮静・ストレス緩和
【期待される作用】心の落ち着き、緊張緩和
【主な関与成分】シトロネロール、ネロール
【エビデンス・出典】Essential Oils and Anxiolytic Aromatherapy
【科学的信頼度】★★☆☆☆（香りの好みとリラックスの関連は多数報告されているが、ユーカリ・レモン精油単体でのヒト試験はほぼない。）
抗炎症・抗酸化
【期待される作用】炎症・酸化ストレスの軽減
【主な関与成分】イソプレゴール、シトロネロール
【エビデンス・出典】Antioxidant and anti-inflammatory properties of essential oils from three Eucalyptus species
【科学的信頼度】★★★★☆（複数のモデルで一貫して「炎症マーカー低下」「酸化ストレス軽減」が示されている。ヒト臨床のデータはまだないため、「ポテンシャルはあるが、今は補完的ケアとして香りでサポートする」というレベル。）
🔍 科学的信頼度の目安
★★★★★：ヒト臨床試験で強い支持
★★★★☆：動物・細胞実験で高い支持
★★★☆☆：有意な基礎研究・一部臨床報告
★★☆☆☆：研究初期段階
★☆☆☆☆：データ限定的
🏡 使用シーンと暮らしへの提案
・蒸し暑い季節・梅雨時期の空気リフレッシュに
【使用例】ディフューザーで空気清浄
【作用】抗菌・抗カビ・爽快感・集中力を高めたいとき
【使用例】ティッシュに1滴
【作用】思考のクリアさ・気分転換・ストレスを感じるとき
【使用例】希釈して胸や首筋に塗布（1％以下）
【作用】鎮静・バランス調整・虫（蚊）よけスプレー・家事用途に
【使用例】レモングラスやシトロネラとブレンド
【作用】自然由来の忌避効果、空間の衛生保持
🔔 使用上の注意
・皮膚刺激を感じやすいため、必ず希釈して使用（1％以下目安）。
・妊娠初期、乳幼児への使用は専門家に相談。
・目・粘膜・高濃度吸入を避ける。
・酸化しやすいため、早めに使い切る（開封後6か月目安）。※本ページは学術情報に基づく一般的なアロマセラピー情報です。
医薬的効能の断定や治療の代替を意図するものではありません。
疾患・妊娠・服薬中の方は必ず専門家にご相談ください。